Gear · ヘルメット

MotoGPライダーは
どのヘルメットを使っている?

私が普段かぶっているのはAGV Pista GP RRで、もう2個目になる。ベッゼッキの頭にあるのと同じPista GPシリーズだが、同じ一個ではない。2026年のMisanoから、AGVのライダーはまだ発売されていないPista GP R3に切り替えている。AGVオーナー兼熱狂的なファンの立場から、AGV・ショウエイ・アライ・HJC・スオーミー・KYTがそれぞれどの選手と組んでいるか、市販旗艦モデルはどれが一番レース版に近いか、そして2026年から義務化されたFIM FRHPhe-02が私たちのヘルメット選びに何をもたらすかをはっきりさせておく。

MotoGPライダーが何をかぶっているかを真剣に調べるようになったのは、自分がその当事者だからだ。今の愛車はYAMAHA R6一台で、晴れた日の近場の移動やスポーツライド、それにサーキット走行で乗っている。初代から現在の2個目まで、ずっとAGV Pista GP RR。ベッゼッキたちがかぶっているのと同じPista GPシリーズだ。レース中継で選手がハイサイドして、ヘルメットが路面を転がって、それでも自分で立ち上がって歩いていく場面を見るたびに思う。私が頭にかぶっているのは、あれと本当に同じものなのか、と。

同じものではない。ただ、差は思っているより小さい。MotoGPに持ち込まれる装備品の中で、レース版と市販版の血がかなり近いのがヘルメットだ。エンジン・シャシー・電子制御は、ワークスマシンと市販車の間に天と地の差があるが、ヘルメットはずっと近い。各ブランドの市販旗艦モデルは、シェルや素材を選手のラインから受け継いでいるものが多い。レース用ヘルメットは時速300km以上で安定し、前走車から飛んでくる破片を防ぐ。ピットレーンに入れるヘルメットにはFIMのレース用ヘルメット認証が必要で、2026年からは新しいFRHPhe-02が求められる。私が買える市販のPista GP RRは、FIMのリストではひとつ前のFRHPhe-01で登録されている。

選手のヘルメットを調べるようになった理由

R15で練習し、R7で通勤し、今のR6に行き着いた。バイクが変わるにつれてヘルメットも替えてきて、一つのことがはっきりわかってきた。ヘルメットは、選手と同じラインのものを買える数少ない装備品だということだ。ファクトリーバイクは買えない。でも選手と同じ旗艦ラインの市販版なら買える。違いはモデルにある。2026年に選手がかぶっているのは、多くが別の型番でFRHPhe-02を取ったレース用モデルだ。たとえばAGVが選手に渡しているPista GP R3は、シェルの外側にマイクロベアリングの上で複数方向に動く可動パネルが付いていて、市販版にはこれがない。私がサーキットでかぶっているのも、この市販版のPista GP RRだ。

Pista GP RRをかぶって高速コーナーを攻めたときに一番感じるのは「頭が安定している」という感覚だ。本物のレースヘルメットは、空力も気流もシェル形状も、限界域で頭をしっかり定位置に保つという一点のために詰めてある。これが街乗り向けヘルメットとの最大の違いだ——街乗り用ヘルメットは静粛性と快適性を優先し、レース用ヘルメットは全開域でも頭が振られず視線がぶれないことを優先する。その代わり、かぶり心地は街乗り用ほど快適ではない。毎日乗る人ほど、先にここが気になるはずだ。

MotoGPのグリッドを支えているヘルメットブランドは数えるほどしかない。

選手個人の専属塗装は市販されていない。ただ、同じシリーズの市販旗艦なら買える。私の2個のPista GP RRは普通の市販品で、1個はマットのElectrum(ECE 22.06版)、もう1個はFuturo。選手レプリカではない。

MotoGPヘルメット勢力図:誰が何を使っているか

ピットレーンを見渡すと、大きく三層に分けられる。第一層は老舗三大ブランド——AGV・ショウエイ・アライで、ヘルメット選びで最初に名前の挙がるブランドだ。第二層は近年ブランド力を大きく引き上げたHJCと、イタリアの老舗スオーミー。第三層はトップレース界に積極的に食い込んできているインドネシアブランドKYTだ。

2026年シーズンの選手対応は以下の通り:

  • Marc Marquez —— ショウエイ。毎回変わる塗装が話題になるショウエイの最大の看板選手。
  • Marco Bezzecchi —— AGV。2026年のMisanoからは新しいPista GP R3をかぶっている。AGVファンとして、彼のヘルメットを見るたびにちょっと嬉しくなる。
  • Francesco Bagnaia —— スオーミー、長年ブランドの顔を務める。
  • Fabio Quartararo —— HJC、旗艦のRPHA 1 V2 Carbon(北米版の名前はRPHA 1N V2 Carbon)。
  • Enea Bastianini —— KYT。インドネシアのブランドだ。

このリストは毎年契約で動く。放送中にあごひものブランドロゴを確認するのが一番確実な方法だ。名前の暗記より、各ブランドの「性格」を掴む方が実用的だ。その性格が市販版の手触りにそのまま出る。

2026年シーズンにはルール面の変更が一つある。今シーズンからMotoGPなどFIM世界選手権では新しいレース用ヘルメット認証FRHPhe-02が義務になり、FRHPhe-01に代わった(大陸選手権では今年は推奨で、義務になるのは2027年)。斜め衝撃試験は01にもあり、02ではその試験が改められた(測るのは回転加速度、つまり頭蓋の中で脳がねじられる力だ)。ほかに半球形アンビルでの衝撃試験、チークパッドの緊急取り外し試験、頭蓋骨骨折のリスクを見るSFCという指標が加わった。認証は以前と同じくモデルごと・サイズごとに出され、ラベルはFIMから買ってあごひもに縫い付ける決まりだ。開幕戦のBuriramでは、FIM 02のリストで同じ認証を共有するKYTとスオーミーの一部サイズでこのラベルが間に合わず、他社のヘルメットを借りて走ったライダーもいた。このルールの対象は、FIMのレースに出るFIMラベル付きのレース用モデルだ。02認証のモデルが欲しいなら、まず型番を見ればいい。ショウエイならX-Fifteen 02、アライならRX-7X FIM Racing#2で、AGVのPista GP R3はまだ発売されていない。

AGV:ベッゼッキ——そして私の2個のPista GP RR

AGVは私が一番思い入れを持っているブランドであり、MotoGPに最も深く根付いたブランドの一つでもある。ロッシの時代から今のベッゼッキまで続いている。ハイスピードエアロ・イタリアンデザイン・大胆なグラフィック——そのブランド全体の性格が私を引き込んだ。ロッシを追ってAGVファンになり、最初のPista GP RRを買って、かぶった瞬間にもう戻れなくなった。今は2個目を使っている。

Pista GP RRはAGVのMotoGP対応の市販旗艦モデルで、シェルは100%カーボンファイバー。FIMのレース用ヘルメット認証があり、リストに載っているのはFRHPhe-01だ。選手がいまかぶっているPista GP R3も同じPista GPのラインから出たモデルで、AGV自身はこのプラットフォーム登場以来いちばん大きな進化だとしている。これは本当にサーキット走行で使えるもので、塗装はソリッドカーボンのほか、いろいろなグラフィックがある。初めて手に取ったとき、本当に軽いと感じた。かぶって走っても、以前使っていたZ-8より軽く感じる。ペースを上げると頭に張り付いているように安定する。

代償もはっきりしている。価格は旗艦級。サーキット用なのでかぶるときつめで、快適さでは以前通勤で使っていたZ-8にかなわない。私はかぶり続けるうちに慣れた。風切り音もあるが、サーキット用ヘルメットはそういうものなので、私は気にしていない。サーキット走行によく行く人、FIM認証のあるサーキット旗艦が欲しい人には、Pista GP RRが最も直接的な答えだ。主に通勤なら、Pista GP RRの強みはほとんど活かせない。きつめのフィットと快適さの差には毎日付き合うことになるし、風切り音を気にするかどうかは人それぞれだ。

AGV · MotoGP市販旗艦

AGV Pista GP RR

サーキット級

私がかぶっているのはこのモデルで、もう2個目だ。シェルは100%カーボンファイバーで、FIMのレース用ヘルメット認証(FRHPhe-01)がある。高速域で安定していて、サーキット走行によく行き、トップクラスのスペックが欲しい人にまず勧めるヘルメットだ。

良い点

  • 100%カーボンファイバーシェル
  • レースグレードのエアロダイナミクス、高速安定性
  • FIM認証あり(FRHPhe-01)
  • ライナーの厚みを交換でき、頭頂部・後頭部・頬を調整できる

惜しい点

  • 旗艦級の価格
  • サーキット用でかぶるときつめ、快適さは通勤用に劣る(私はかぶるうちに慣れた)
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ショウエイ · マルケス同ブランド旗艦

Shoei X-Fifteen

サーキット旗艦

ショウエイのサーキット旗艦で、マルケスと同じブランドの市販最高峰。自社の風洞で煮詰められ、ライナーは取り外し・洗濯・調整ができ、サイズ交換にも対応する。日本メーカーの作り込みでサーキット用ヘルメットを選びたいなら、試着リストに入れておきたい。

良い点

  • サーキット旗艦、欧州では同じモデルがX-SPR Proの名前で売られている
  • 成熟したエアロダイナミクスと安定性、丁寧な作り
  • モジュラーライナーで頭型に合わせたフィット調整が可能
  • マルケスらと同ブランドプラットフォーム

惜しい点

  • 高価格
  • 市販の標準版はFRHPhe-01、2026年のレースで使われるのは別モデルのX-Fifteen 02
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アライ · 手作りへのこだわり

Arai Corsair-X

防護重視

アライの北米での旗艦。滑らかなシェル形状と手作りの製造が持ち味だ。アライの考え方は、シェルは丸く滑らかであるべきで、そのほうが路面にぶつかったときに引っかからずに滑りやすい、というもの。見た目の派手さより防護の考え方でヘルメットを選ぶ人には合うはずだ。日本で使うなら国内版のRX-7Xを選んでほしい。このリンク先は北米版で、海外向けと国内向けでは内装の形がまったく違う。

良い点

  • 滑らかなシェル設計で衝撃の滑り効果を重視
  • 手作り製造による高い品質一貫性
  • VASバイザー機構、通気性も堅実
  • 内型は中間的な楕円(Intermediate Oval)、まず試着を

惜しい点

  • 高価格
  • 北米版と日本国内版は内装の形が違う、地域をまたいで買うときは注意
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AGVにはミドルレンジのK6 Sもある。シェルはカーボンとアラミドの複合素材で、AGVの性格は好きだがフルカーボンのシェルまでは要らないという人向けだ。サーキットを走らず毎日通勤するなら、快適性と価格の面でK6 Sの方が現実的だ。浮いたお金で頭型に合うライナーと良いシールドをそろえる方が、無理に旗艦シェルを買うより実用的なことが多い。私はサーキットではPistaをかぶっているが、快適さでは以前通勤で使っていたZ-8にかなわない。K6 SとPistaのどちらにするかは、どう乗るか次第だ。

ショウエイ:マルケスと純競技のX-Fifteen

ショウエイのブランドアイデンティティは「日本の精密さ」だ——クリーンなライン、丁寧な作り込み。最大の看板はマルケスで、彼が塗装を変えるたびにライダーの間で話題になり、そのおかげでショウエイへの注目もずっと高いままだ。

マルケスのレース版に対応する市販旗艦はX-Fifteenだ。メーカーはこれを純粋な競技用のサーキットヘルメットとして位置づけていて、自社の風洞で煮詰め、ライナーはモジュール式で少しずつフィットを詰めていける。ショウエイの先代と比べると、低い音域の風切り音が小さい。AGVとショウエイで迷っているなら、どちらの旗艦も競技用で、違いは性格にある。AGVはイタリアンな外観と大胆なグラフィック、ショウエイは日本的な作り込みと控えめな外観だ。私もショウエイとは縁がある。R7で通勤だけしていた頃は日本仕様のZ-8(北米ではRF-1400、欧州ではNXR2と呼ばれ、地域ごとに仕様が違う)をかぶっていた。ミドルレンジのスポーツ向け街乗りヘルメットで、軽快でコンパクト、毎日かぶるにはずっと快適だった。

塗装だけで選ばないでほしい。どのブランドもたいてい「サーキット旗艦」と「ミドルレンジの街乗りモデル」の2ラインを持っている。選手が旗艦を使うのは当然だが、私たちにとってはシェル素材より頭型へのフィット感の方が重要だ。頭型に合わない旗艦は、合っているミドルレンジよりかぶり心地で劣ることが多い。何個か換えてきた経験から学んだことだ。

アライ:防護哲学で語るCorsair-X

三大ブランドの中でアライは最も一貫していて、最も頑固だ。アライが表に出して語るのはいつもシェルの形で、何十年も手作り製造と滑らかな丸みのあるシェル形状を守り続けている。シェルが丸いほど衝撃時に「滑る」可能性が高く、路面に引っかかりにくいので、首に伝わる回転力が小さくなる、という考え方だ。ヘルメットに付くエアロパーツもこの考え方で作られていて、転倒時には外れ、より広く滑らかな面で衝撃を受けられるようにしてある。流行に流されないこの頑固さが、私は好きだ。

北米の市販旗艦はCorsair-X、日本国内の旗艦はRX-7Xだ。売りは防護優先の設計思想と、手作りがもたらす品質一貫性だ。頭型は分けて考えたい。北米版のCorsair-Xは中間的な楕円(Intermediate Oval)で、アライには丸め・中間・長めの3種類の内型がある。日本国内版と海外版では内装の形も違う。だから必ず試着して、自分が住んでいる市場のモデルを買ってほしい。私はAGV派だが、「格好よさより防護を優先したい」という人になら、アライは自信を持って勧められる。

HJC・スオーミー・KYTの立ち位置

三大ブランド以外にも、ピットレーンで何度も目にするブランドが3つある。

HJCはここ数年でブランドイメージを大きく塗り替えた。以前はコスパ重視のブランドという見方が強かったが、クアルタラロより前から、クラッチローやビンダーがHJCでMotoGPを走っていた。クアルタラロとの契約は、HJCがブランド52年の歴史で最大級のニュースと位置づけている。旗艦カーボンヘルメットのRPHA 1 V2 Carbon(北米名RPHA 1N V2 Carbon)はFIM FRHPhe-02認証を持ち、価格はAGVの旗艦より安く、アメリカではX-Fifteenと同じ価格帯にある。旗艦スペックをより現実的な価格で求めるなら、HJCはこの位置でかなり強い。

スオーミーはバニャイアを通じてMotoGPでの存在感を保つイタリアの老舗ブランド。旗艦のS1-XR GPは競技志向で、シェルはカーボン・グラスファイバー・アラミドの3素材複合。塗装にはイタリアらしさがよく出ている。

KYTはインドネシア発で、ここ数年トップレース界への参入を積極的に進めていて、バスティアニーニもKYTをかぶっている。KYTの親グループは1980年に設立されたPT Taraで、ブランド自体は1998年にスタートした。スオーミーはKYTの欧州ディストリビューターで、両ブランドはFIM 02のリストで同じ認証を共有している。Buriramのラベル騒ぎで両方が一緒に巻き込まれたのはそのためだ。KYTの訴求は「旗艦に近いスペックをより手頃な価格で」で、サーキット旗艦が欲しいが予算に限りがある人を狙っている。国ごとに流通と価格差が大きいので、購入前に地元の情報を確認してほしい。

MotoGPレベルの性能は着実に身近になってきている。10年前はFIM認証のサーキット旗艦に手が届くまでの敷居が非常に高かったが、HJCとKYTがそれを下げた。私たちライダーにとって、選べるものは以前より格段に増えた。

レースヘルメット対応市販モデル一覧

各ブランドの代表選手、レースヘルメット、そして実際に店頭で買える市販旗艦モデルの対応は次のようになる。

ブランド代表選手市販旗艦モデル性格
AGVMarco BezzecchiPista GP RR(フルカーボン)イタリアン・競技・大胆グラフィック
ショウエイMarc MarquezX-Fifteen日本の精密さ・純競技志向・風洞開発
アライ複数の選手Corsair-X手作り・丸いシェル・防護最優先
HJCFabio QuartararoRPHA 1 V2 Carbon高スペック・AGV旗艦より安い
スオーミーFrancesco BagnaiaS1-XR GPイタリア老舗・軽量競技
KYTEnea BastianiniKX-1 Race GP手頃な価格・インドネシアの大手

表の「市販旗艦モデル」は、同じブランド・同じサーキット旗艦ラインの市販版を指す。選手がかぶっている一個とは別物で、2026年に選手が使っているのはFRHPhe-02を取ったレース用モデル、つまりまだ発売されていないAGVのPista GP R3、ショウエイのX-Fifteen 02、アライのRX-7X FIM Racing#2だ。私の2個のPista GP RRも普通の市販品で、レプリカではない。

YAMAHA R6にAkrapovicのフルエキゾーストを組んだ純粋な排気サウンドのPOV走行動画。ナレーションなし、BGMなし、エンジン音と排気音だけ。走り出す前に聞いていってほしい。

オーナー視点:レプリカを公道で買うべきか

一番よく聞かれる質問がこれだ。「公道専門なんだけど、好きな選手と同じレプリカを素直に買えばいい?」——Pista GP RRのオーナーとしての答えは、急がなくていい。サーキットでかぶっているのはPistaで、2個目もPistaだ。ただサーキット用なので、R7で通勤していた頃に毎日かぶっていたZ-8ほど快適ではない。

市販の公式レプリカで買えるのは、選手の塗装と、同じ旗艦ラインのヘルメットだ。選手本人がかぶっている一個とは違う。いちばん大きな差はモデルと認証の世代で、ベッゼッキがMisanoからかぶっているのはPista GP R3、認証はFRHPhe-02で、シェルには可動パネルまで付いている。市販のPista GP RRはFRHPhe-01だ。ライナーのほうは市販版でも調整でき、箱には厚さ違いの頭頂パッドとチークパッドが入っている。つまりレプリカを買うと、レースグレードのシェルとFIM認証に、選手カラーの塗装を合わせたものが手に入る。血はかなり近いが、同じ生き物ではない。ここを押さえておけば、旗艦の値段を払って選手と同じ一個を手に入れたと勘違いせずに済む。

そのレースシェルは公道で価値があるか。サーキット旗艦もミドルレンジの街乗り用ヘルメットも私はかぶってきた。Z-8はR7で通勤していた頃に毎日、Pistaは今R6でかぶっているもので、両者の差はかなり具体的だ。Pistaのようなサーキット旗艦の強みは全て高速域で表れる——エアロダイナミクスの安定性、全開まで開けても頭からずれないシェル、ぶれない視線、そしてFIM認証(FRHPhe-01)。市街地の信号待ち・渋滞・路地での通勤ではこれらの強みは一切発揮されない。それどころか代償は毎日ついてくる。かぶるときつめで、快適さはZ-8に及ばず、価格は旗艦級。風切り音もあるが私は気にならないので、通勤で使う人は自分で判断してほしい。通勤にレプリカを使うと、サーキット税を払ってサーキットの恩恵は得られない。

用途サーキットレプリカ旗艦同ブランドミドルレンジ
サーキット走行 / 晴れた日のスポーツライドまさにこれのために作られている——十分に価値があるFIM認証がない
日常通勤 / 長距離ツーリングきつめで高い、快適さは通勤用に劣る静かで快適、毎日使うのに現実的
選手塗装が欲しいレプリカはあるが種類は少ない。欲しい選手のカラーがあるか先に確認をレプリカがあるかはブランドとモデル次第

熱狂的なAGVファンの立場で線を引くと、こうなる。サーキットを走る人なら、Pista GP RR・X-Fifteen・Corsair-Xといった旗艦を迷わず買っていい。公道メインなら、AGV K6 SやショウエイZ-8(北米ではRF-1400)クラスの同ブランドのミドルレンジを検討し、浮いたお金を頭型に合うライナーに使う方が、カーボンシェルよりはっきり違いを感じられる。頭型に合っていないヘルメットは、シェルがどれだけ高級でもその分を取り戻せない。

レプリカも手元に来た時点から消耗品だ。外観が無事でも衝撃を受けたヘルメットは内部緩衝材が変形している可能性があり、素材も経年劣化する——交換時期が来たら交換する。私はヘルメットを買うとき「数年後に買い替える踏ん切りがつくか」を予算に織り込む。選手と同じモデルをかぶれるかどうかより、そっちを先に考えている。

よくある質問

MotoGPライダーが使うヘルメットブランドはどこが多い?

レースを見ていて私がいちばん気にしているのは、AGV・ショウエイ・アライ・HJC・スオーミー・KYTの6ブランドです。2026年シーズンはマルケスがショウエイ、ベッゼッキがAGV、バニャイアがスオーミー、クアルタラロがHJC、バスティアニーニがKYTです。契約は毎年変わるので、放送中にあごひものブランドロゴを確認するのが一番確かです。

MotoGPライダーと同じヘルメットを市販品で買えますか?

同じブランドのサーキット旗艦なら買えますが、選手がかぶっている一個そのものは買えません。2026年に選手が使っているのはFRHPhe-02を取ったレース用モデルで、AGVのPista GP R3はまだ発売されていません。私が使っている市販のPista GP RRはFIMのリストではFRHPhe-01、ショウエイの市販X-Fifteenも01で、アライのCorsair-XはFIMのリストに載っていません。塗装は、市販品ならソリッドカーボンやいろいろなグラフィックがあり、選手レプリカは数種類しかありません。

AGV Pista GP RRはベッゼッキが使っているヘルメットと本当に同じ?

同じではありません。ベッゼッキは2026年のMisanoからPista GP R3をかぶっていて、認証はFRHPhe-02、このモデルはまだ発売されていません。私の2個は市販のPista GP RRで、1個はマットのElectrum(ECE 22.06版)、もう1個はFuturo。シェルは100%カーボンファイバーで、FIMのリストに載っているのはFRHPhe-01です。共通しているのは同じPista GPシリーズだという点です。初めて手に取ったときは本当に軽いと感じましたし、かぶって走っても以前のZ-8より軽く感じます。

通勤用途でもMotoGP旗艦ヘルメットは必要ですか?

あわてなくていいと思います。R7で通勤だけしていた頃は日本仕様のショウエイZ-8(北米ではRF-1400、欧州ではNXR2と呼ばれ、地域ごとに仕様が違います)をかぶっていて、静かで疲れにくく、毎日乗るならサーキット用ヘルメットよりずっと快適でした。Pista GP RRはサーキット用なので、快適さではZ-8にかないません。かぶるときつめで、私はかぶり続けるうちに慣れました。風切り音もありますが、サーキット用ならそういうものなので、私は気にしていません。通勤ならAGV K6 SやショウエイZ-8クラスのミドルレンジで十分で、節約したお金を頭型に合うライナーに使う方がずっと効果を感じられます。

YouTubeで実走POVを見る ↗